市民参加型でつくる地域生活交通
クルマ社会―多くの市民がマイカーを所有し、まちは郊外へ拡がりました。
しかし、反対にクルマを持たない、あるいは、車を運転できなくなった人にとっては、買い物も駅に行くにも交通不便な地域が増えたともいえます。
かながわ移動ネットは、交通不便地域の問題に取り組む市民を支援しています。
かながわボランタリー活動推進基金21の協働負担金事業(2007年4月より)
大和市西鶴間の取り組み
わたしたちの「のりあい」運行開始!
大和市には市の南北をつなぐコミュニティバス「のろっと」が運行されてます。
しかし、市内にはコミュニティバスが通れない狭い住宅地など、交通不便な場所は多くあります。ここ西鶴間・上草柳も同様に交通課題を抱える地域でした。
まず、交通課題を感じていた女性数名が中心となって、かながわ移動ネット、ワークショップの講師伊藤先生(大久手計画工房)、大和市の交通担当職員と話し合いの場を持ちました。どういう人に集まってほしいか、どういう形で話し合いを進めていくかを協議し、 そして、2009年3月、第1回のワークショップが始まりました。
現在走っている10人乗りのワゴン車 市から貸与されている
どんなルートを通れば、私たちにとって便利かな?走ってみてわかるところってあるよね。「はい、ここはコース変更」
試運行を重ねて地域の合意をつくる
3回のワークショップをおこなった後、2009年10月に乗合バス運行準備会が立ち上がりました。最初に声をあげた女性メンバーと自治会のリーダーも含めた十数名が参加し、組織的に動き出しました。
当面の目標は、試運行を行うこと。
アンケートや広報をつくり、運行のモデルコースを地域の人と一緒に走りながら試行錯誤。地域の人と情報共有を図りながら、7つの自治会で盛り上がりをつくってきました。
■運行に向けての取り組み
2009年5月 7自治会・合同説明会・156名の参加で大盛況!
2009年5-6月 第1回試運行(5日間)
2009年11月 第2回試運行(5日間)
2010年 2月 第3回試運行(4週間)
3回の試運行で、本格運行に備えて課題の洗い出しも。
2010年4月 大和市との協働事業として、1日10便 運行開始!
運転も添乗も運行管理も住民によるボランティア
■知事がやってきた!
「ウイークリー知事現場訪問」として松沢成文・神奈川県知事(当時)と、大木哲・大和市長が2010年8月20日、「のりあい」に体験乗車しました。
・・・のりあいの現在の情報はこちらから
横浜市港北区菊名の取り組み
急坂の上の住宅街にお出かけバスが走る
「錦が丘お出かけバス」、菊名・大倉山・新横浜の地域でコミュニティバス運行を長年目指してきたコミバス市民の会にとっては2010年9月に行われた試運行は5回目になります。
10人乗りのワゴン車は、同じ港北区の福祉クラブ生協から送迎車の空いた時間を無償で借りたもの。地域の活動を支援しましょうという生協の厚意で、ガソリンだけの負担で借りることができました。
運転・添乗・運行管理は、地域住民によるボランティアによる。
東横線の線路たくさんお買い物しちゃった!お出かけバスが走るのを待っていました。
錦が丘・お出かけバス
2009年に行ったワークショップでは、買い物に行きたいという要望が多く、今回は東横線・妙蓮寺駅そばにある大型スーパーなど、買い物需要を中心に組み立てました。
運行が始まってみると、住宅地から駅まで、駅から山の上にある自宅まで乗る、といった使い方も目立ち、高齢化に伴い、山坂のある住宅地に住む人の需要は「かなりある」と感じました。
今後も市民のボランティア運転による試運行を続けていきます。
菊名は坂の多い町。
坂の上に古い住宅地が並び、高齢化も進んできている。駅まで徒歩5分であっても、上り下りは容易ではなく、コミバスを待望する地域住民も多い。
駅のそばのスーパーの駐車場が始発です久しぶりに隣町へお買いものに。
1年間の試運行開始!
2011年1月25日より、1年間(週1回・1日4便)の試運行が始まっています。
懸案だった車両も、ボランティアの自家用車と、地域で活動する福祉関連の事業所か ら車を提供してもらって元気に走り出しました。
1年間のロングラン! 地域の声を聞きながら、坂の町・菊名ならではのコミュニティバスの運行を考えていきます。
1年間の試運行開始!
おでかけバスは年を追うごとに運転メンバーも増え、町内の方のご厚意で8人乗りの車両を無償でお借りし、
2014年も週1回・1日6便走っています。
地域の「くらしの足」として定着してきました。
コミバス市民の会HP
相模原市相模湖町の取り組み
それぞれのニーズに沿った「わたしたちの町の交通」を考える
地域の代表が集まった外出に困ってる人はいる?・・集落の・・さんもそうだよね。
相模湖町は、過疎の集落を抱える地域です。
大型スーパーマーケットや総合病院が郊外にでき、
駅前の商店は少なくなりました。
昔ながらの「ご近所同士」「顔の見える関係」が残る同地域では、
地域循環の乗り合い自動車ではなく、
●個人々々のボランティア送迎があれば十分高齢者のニーズに
こたえられる。
という意見が多く聞かれ、自分たちの地域に必要な支援の在り方について、
熱心に意見交換を行いました。
たすけあいの気持ちを仕組みにする
とはいえ、
「近所の高齢者に『いつでも声をかけてくれたら買いものに連れて行くよ。』
と声をかけるが・・・」 実際、「車に乗せて・・・」と、申し出てくれる高齢者は
なかなかおらず、ボランティア送迎は定着していませんでした。
それなら、「遠慮せずに頼める仕組み」を考えましょうと、新たに議論が始まりました。
どんな仕組みが必要? 会員制? 自動車保険は?
実現に向け、一歩前に踏み出します!